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階段の幅を広くしてみた。

こんにちは、関口です。

家の中で、毎日いちばん多く使われる“通路”はどこですかね。
廊下でも、玄関でもなく、実は階段なのかもしれないです。

階段は「上がる・下りる」ための装置として、どうしても最小限に設計されがち。
建築基準法を満たし、スペースを節約し、できるだけ効率よく。
けれど今回は、そんな合理性から一歩だけ離れて、階段の幅を広くしてみました。

結果、階段の表情は驚くほど変わる。

人と人がすれ違うときの余白。
ちょっと腰掛けて本を読む場所。
洗濯物を一時的に置く、暮らしの途中の“溜まり”。

幅が生むのは、移動のための空間ではなく、居場所でした。

階段が「通過点」から「滞在できる場所」へ変わると、家の中の時間の流れも変わってくる気がします。
急いで上がるだけだった動線に、立ち止まる理由が生まれ、
何気ない会話や、視線の交差が、自然と増えていく。

住宅は、部屋の広さだけで心地よさが決まるわけではないようです。
こうした“余白の質”が、暮らしの密度を静かに高めてくれています。

階段を幅広くすることは、贅沢ではなく、
日常を少しだけ丁寧に扱うという選択だと思います。

今日もまた、誰かがその階段で立ち止まり、
家の中に、ほんの少しの余韻が生まれています。

この記事を書いた人

関口 正人
設計デザイナー

関口 正人

Sekiguchi Masato

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