洞窟のような図書館
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- Writer:宗形龍磨
千葉県木更津市にある地中図書館を訪れました。
緑の中を通り抜け、斜面の途中に現れた図書館は、建物というよりは土の中に掘られた静かな洞窟のようでした。
ここは、目的の本を検索して探す場所ではなく、散策の途中にふと目に留まった本を手に取るような、偶発的な出会いのある楽しさがありました。
建物の中には、みんなで本を読める開けた場所、2〜3人で勉強できる場所、1人で籠れる場所など、その時の気分に合わせて「居場所を選び取れる」という豊かな空間体験がありました。
住宅も同じではないか、と考えます。
一人になりたい時もあれば、家族で団欒したい時もあります。
あるいは、趣味に没頭したい時もあります。
そんな様々な気分を受け止めてくれる「選べる空間」の多さが、暮らしの豊かさを作るのだと感じます。
少しの段差が生む距離感や、奥にいる人の気配がなんとなく伝わってくる、洞窟のような安心感。
私たちが帰る場所にも、そんな「癒しの余白」が必要なのだと、改めて気づかされました。
この記事を書いた人
設計デザイナー
宗形龍磨
Munakata Ryuma