建築を完成させる最後の一筆
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- Writer:小玉 祐樹
今回は意外と奥が深い?!表札についてお話したいと思います。
玄関まわりの佇まいは家の顔となりますが、その中でも表札は最初に目に入る小さな要素。
けれど、この小さな板一枚が空間の印象を大きく左右します。
たとえば、無垢材の門柱に真鍮の文字を組み合わせれば、経年変化が美しく、暮らしと共に深みを増していきます。
反対に、シャープな外壁にガラスやステンレスを選べば、モダンで緊張感のある表情になります。
表札はただのネームプレートではなく、設計者としては「建物全体のデザインを結ぶ最後の仕上げ」と考えています。
また、表札には住む人の価値観や暮らし方がにじみ出ます。
手書き風の文字で温かみを出したいのか、タイポグラフィで洗練された印象を狙うのか。
その選択は、まさに建築のコンセプトと同じくらい大切な意思表示だと感じます。
設計の過程では、外壁や植栽、照明との関係性を確認しながら「ここにどんな表札が馴染むか」を考えます。
表札がきちんと納まったとき、建物はようやく一つの住まいとして完成するのです。
この記事を書いた人
設計デザイナー
小玉 祐樹
Kodama Yuki