壁を残すという設計
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- Writer:小玉 祐樹
家づくりの打合せで「できるだけ壁をなくして、開放的な空間にしたい」というご要望をよくいただきます。
確かに壁を減らせば視線は抜け、空間は広く感じられます。
しかし私は、あえて壁を残すことにも、同じくらい大切な意味があると考えています。
壁は単なる仕切りではなく、光を受け止め、視線を整え、暮らしの背景となる存在です。
壁があることで落ち着く場所が生まれ、居場所がはっきりします。
また、すべてを見せるのではなく、見せたい景色だけを切り取ることで、空間の印象はより豊かになります。
周辺環境や敷地条件、家族の暮らし方によって、残すべき壁は一つとして同じものはありません。
何を壊すかではなく、何を残すかを丁寧に考えること。
それが住まいを永く愛される場所にする設計だと考えています。
この記事を書いた人
設計デザイナー
小玉 祐樹
Kodama Yuki