北庭がつくる“やさしい光” ― 旗竿敷地でも心地よく暮らせる家づくり
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- Writer:熊谷 直
こんにちは。エーセンス建築設計事務所の熊谷です。
今日は、私が千葉県で担当した注文住宅の事例を、少しだけ設計者らしい視点も交えながらご紹介したいと思います。
今回の敷地は、細い通路の奥に家を建てる“旗竿敷地”。しかも南側からの採光がほぼ期待できないという、家づくりとしては少しハードルの高い土地でした。
「旗竿敷地でも明るい家ってできるの?」
「採光が取れない土地はどう設計するの?」
そんな疑問を持つ方にも、きっと参考にしていただけると思います。

■ 光の入りにくい土地で見つけた“北庭という答え”
敷地を訪れた瞬間に「この家は北側が主役になる」と感じました。
南側は隣家が迫って光が入らない。でも北側を見ると、空がすっと抜けていて、とてもきれいな光が落ちていました。
そこで私は、あえて“北に庭をつくる”という逆転の発想を採用しました。
北の光は、直射日光のように強く差し込まず、やわらかく拡散してくれます。
時間帯によって表情が変わり、影のグラデーションがとても美しいのが特徴です。

■ 壁がつくる「ふわっと明るい室内」
今回の設計で特にこだわったのが、北庭に設けた 光を反射する壁 です。
この壁には二つの役割があります。
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外からの視線をしっかりカットする
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淡い北光を受けて、室内へふわっと明るく反射させる
いわば“光の跳ね返し板”のような存在です。
南から光が入らない土地でも、北庭と壁の組み合わせによって、自然光だけで室内が十分に明るくなる瞬間が生まれます。
その様子を見るたびに「やっぱりこの敷地に合う答えはこれだった」と感じます。

■ 植栽で光と影にリズムをつくる
千葉県の注文住宅では植栽をどう扱うかで、暮らしの豊かさが大きく変わります。
葉が透ける淡い光、枝の影が床に揺れる感じ──それらが毎日の暮らしに小さな変化を与えてくれます。
光がたくさん入らない土地ほど、植栽は“緑の照明器具”のように働いてくれます。


■ 難しい敷地ほど、設計の工夫が生きる
旗竿敷地・変形地・採光の悪い土地…。
一見デメリットのように見えますが、実はその制約こそ、唯一無二の家をつくるヒントになります。
今回もまさにそうで、
・南がダメなら北を主役に
・光が弱いなら影を味方に
・閉じた敷地には植栽で抜けを
そんな風に敷地の個性を素直に読み取ることで、この土地だから生まれる住まいが形になりました。

■ 千葉県で注文住宅をご検討中の方へ
旗竿敷地、狭小地、採光の弱い土地でも、設計の工夫次第でいくらでも居心地の良い家になります。
もし土地の条件で悩んでいる方がいらっしゃれば、ぜひ気軽にお声がけください。
光の取り方、風の抜け方、視線の処理、植栽との関係性──
“その土地が一番喜ぶ形”を一緒に見つけるお手伝いができれば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を書いた人