9月初旬 電化する僕ら
少しずつ涼しくなってきましたね。順調順調。
夕方6時にうす暗い。これも順調。夏も終わり。
数年前あるお客様とお話をさせて頂いていた際に、W社と当社の2社に絞り、まだ悩んでいる・・・と。
我々としても全然悩んでくださいと。
良くある話でした。
W社はとにかく断熱性能に強みを持った企業で断熱性の高低を表すUA値、隙間などを表すC値などを全面に押し出す企業だった。
結論からいうと丁寧にお断りのご連絡を頂いた。何の連絡もない事が普通なのでありがたい話だった。
数日前に、当該土地の前をたまたま車で通ると出来上がっていた。
なるほど、「断熱の数字」では絶対にかなわないなと思った。
西面と東面に窓が0。北側に3か所。南側に6か所。計9個のサッシ数だった。
色々なコンセプトの会社があるが、これは数字争いをしたらかなわないなと。
当たり前の話になってしまうが、窓の数は「断熱性能の数値」にかなり影響する。
少ないほど外に逃げる熱は少なくなるので有利になる。
正直にいってしまうと僕らは数字にそこまで頓着していない。
UA値は0.5前後、C値も0.4~0.5が多い。
これでOKとは思わないが、数字を目的にするのと、住み心地が良いはそのまま比例するかというとそうでもないと思っている。
数値の見栄えを良くしようと思ったらサッシの数を10か所以下にすれば良いし、ビニールを張り巡らしとにかく隙間を防ぐ。
が、僕らのテーマはそこにない。
日中は電気をつけなくても良いリビング。
季節の良い時は風を南から入れ北に抜いていく。
大きな機械に頼らず、漆喰や無垢の木など多孔質な材料をセレクトした調質する家。
深く軒をかけ、夏は適度に陽を遮り、冬は陽を採りこむ。
中と外を緩やかに、ボーダレスに繋ぎ半外を愉しむ
僕らのテーマはこんなところにある。明らかに世の潮流からは外れる。
きっと、世の中の主流ではなくなっていくのだろう。
軒を出さず、自然な風ではなく機械で24時間空調でコントロールし、屋根には太陽光パネルが乗る。
・・・が、全盛だ。
僕らはオルタナティブでいられるのか、良い意味でも悪い意味でも迎合せざるをえないのか。
が、季節の良い日は風を通して過ごしたい。
そう思ってくれる人がいるのも間違いない。
そこにあるニーズにこたえるのも良い。
大手ハウスメーカーさんがやりたがらない、手間暇もかかるが、必ずそこにあるニーズに応えようって起業をしたのだから。
そういえば、東京は新築の際に太陽光パネルが義務化になる。
この流れはきっと全国に広がっていく・・・・多分。
実現可能かどうかわからないが、2030年にはガソリン車は製造しなくなる。(本当か?)
僕らはどんどん電化していく。
近い将来、薪ストーブの設置も規制がかかるのでは。
国民総電化が=豊かな暮らしなのか?と、心の片隅にそんな思いがある。
深く軒がかかった縁側で楽しそうに過ごす、家族をみてそんな事を思った。
そして、そこにあるニーズに応え続けようとも思った。