5月終盤 生産性
元アップルジャパンの松井博さんが「何故日本では合理化がすすまないのか」という記事をエントリーしていた。
その通り。としか言えない内容だった
1:合理化しても楽にならないから
合理化されて空いた時間にさらに別の仕事を詰め込まれてカツカツになってしまうから。という反応が日本の概ねの総意なのでは。楽をして「同じ質のアウトプットをする」インセンティブが日本にはない。
2:時間給だから
合理化して空いた時間に給料あがるならともかく、別の作業を詰め込まれ挙句、「仕事をしているふりがうまい人」とそんなに給料が変わらない。また、短時間で同じ質のアプトプットが出来るようになる=簡易化されたんだから単価減らすで、モチベも下がる。
3:中高年が合理化ツールについてこれない
表題の通り。テクノロジーを覚えないもしくは覚える気もない。コロナ初期にZOOMを全く使えない管理職。その層が「会社の中枢ど真ん中」な企業がほとんど。。
4:ワークシェアとして実は機能している。
アメリカとの比較になると20年前からガソリンスタンドは無人。レジもほぼ無人。銀行口座もオンラインで完結。紙の書類もほぼなく、オンライン決済。
が、日本ではほぼ人の手を使う。逆にそのおかげで世界的には奇跡のような失業率2.8%。
免許の更新も免許センターに足を運び、数時間の講習を受け・・・みたいなに、かなりの数の雇用がそれで守られている。
要約するとこのような感じ。
その通り。以外の感想が出てこない。
こんな事を書いている僕が「こんな古い慣習の企業にはしたくないよね、うちは先鋭的な取り組みを・・・」みたいな自虐風自慢なオチならいいんですが、残念ながらそうなっていない。
実際に企業経営をしていて思う事は
年齢、特性、性格、立場、問わず
「同じ仕事を3分の1、4分の1の時間で仕上げるには?」と意識して仕事する。
「同じ仕事量で、倍の成果をあげるツール、テクノロジー」の導入を意識する。
「この仕事、やってもやんなくても成果がかわらないから引き算」を意識する。
「時間給だとアウトプットの質が高くても低くても、どうでもよくなって仕事が粗くなるので成果給に全振りして下さい」というオファー。
繰り返してしまうが、年齢、性別、性格、社歴関係なく上記のことはかなり難しいのだろう。
過去、ほぼなかった。
当然、この当事者に僕自身も入る。引き算が苦手だ。
逆に「自分の仕事のミスを0.数%減らすために全社的に負担が増えるルールをどんどん付加していく」 のは日本、ひいては僕らの会社も含めて超得意。
個人的に思う事は企業が生産性、効率性を民主的に「みんなの合意で」上げるのはかなり難しくて、ただ一つ経営者が「うちの数字の基準」を標榜するだけしかない。
年間のこなすべき「仕事量のアッパー」を会社として決め切った今でもそう思う。
SNSなどでのある界隈の識者がこぞって言う「日本は生産性が・・・」「日本って終わってるよね論」のように色々と憂いてるフリをしながら、その「終わってる側の当事者」には絶対に僕はいませんよ感を出したいが、残念ながら自分は引き下げている側にいるかも知れないので、それも難しい。
などと憐憫している場合でもない。
生ぬるくなってしまって汗が一ミリも出ないサウナを、もう一度ガンガン焚いていかなければ。