3月初旬 バイアス
さて、3月初旬です。
千葉県は3月6日まで予定していた蔓延防止措置が2週間程度延長。
ニュースバリューとしてはウクライナ紛争に奪われていますが、まだまだコロナ騒動は続きそうですね。
で、きっと、今後もまた波が来るのだと思います。で、その増えたり減ったりするのが、日常化していくのでしょう。
一応、立場もあるので3度目のワクチンの予約を。過去2度の接種で1㎜も副反応がありませんでした。3度目はどうなるのでしょうか。苦しくない程度に反応したい。でないと、自分の免疫機能を信じられなくなりそうです。
さて、誰がバランスを取るのかの議論は大きな所から小さなところまであると思います。
有名なたとえ話で、あるスポーツ選手のスーパースターがいて、その周りにはそれぞれの専門領域のエキスパートが付いています。
その花形の選手が不調の時に、周りにいる全専門家が自分の領域の視点からアドバイスします。
管理栄養士
「栄養に偏りがあります。ビタミンB1を取ろう。」
ストレングスコーチ
「太ももの筋肉が弱い。重点的にやろう」
メンタルコーチ
「燃え尽きです。少し休暇を」
トレーナー
「古傷が痛んでいる」
学生時代の恩師
「昔はもっと楽し気にプレイしていた」
スキルコーチ
「定着するまで反復できていない」
と、なる。
当然、専門家たちは別に嘘は言っておらず、自分が高めた専門領域の知見を一段高く見て、アドバイスをする。
で、花形選手は迷いに迷いスランプを脱出できずにドツボにはまっていく。
ある側面、真実があるから厄介だ。
面白いのは、環境が完璧に整っている選手が山の中を駆けずり回っていた途上国の選手にコロっと負けることもあれば、管理栄養士のいうことをきかず、油が濁って、少し黒みがかっている大好きな街の精肉屋のコロッケを食べることで調子が戻ることもある。
コロナ騒動も、専門家の意見は大切だが、専門家の意見のどの部分を受け入れ、どの部分を「捨てるのか」を、誰が判断しているのかが分かりにくいなと思う。
一側面を極めた専門家が「方針」を決めているとしたら少し怖い。
足をねん挫している選手に、メンタルコーチが「ポジティブシンキング!」と言っているようなものになってしまう。
ビジネスの世界でも多い。
〇〇コンサル、〇〇プロデューサーみたいなものをフリーでやっている方が、花盛りだが、自分の過去の成功体験をノウハウ化しているので、かなり強いバイアスが入る。
専門性を得るというのは、ある種、バイアスを自らに強くかけるのと同義になる。
「自分はこうやって上手くいった。あなたもどうぞ」と。
色々な意見、情報を集約し、拾うと捨てるを判断し、最適解を導ける人は少ない。
特に「捨てる」がむつかしいと思う。
専門家のアドバイスは絶対に交互符号しない。矛盾がある。
異なる専門領域の人の、交流というかコミュニケーションが活発であって欲しいなと思う。
「この方策はこちらの専門領域からいうと、効果抜群だけど、おそらくそちらの専門領域から見ると壊滅的だと思うが、どうか?」みたいな会話があるのだろうか。あるとしてら良いチームだ。
コロナの件だけではなく、企業の打ち手、スポーツ、映画なんかもそうだろうなと思う。
が、中々難しいのだろうなと思う。
専門領域を定め、研究することで、知識は先鋭化し、それと同時にプライドも高くなる。
ある意味、経営者を含むリーダー層は、専門的になりすぎない、という「畑」を作らない自制が必要なのかもしれない。
数々の専門家のアドバイスや情報の中から、誰が全体バランスを取るのか。
きっとこれからも難しいままだと思う。