断熱のお話を少し
さて、暑いですね。連日30°越え。
今年はゴタゴタせずにズバッと夏が来ましたね。
健康と体力回復の為に、毎日朝から1時間前後歩いたり、白球を打ったりなんかしてますが、汗だくから始まる一日も良いですね。
さて、2021年の4月から住宅の省エネ性能の説明義務というものが始まりました。
説明義務の内容は大きく2つで
①:家自体の断熱性能ーエアコンが効きやすい家か否か。
②:家で使う電気やガスなどのエネルギー量の予測。
の2つです。
国の方で決められている、推奨の数値というものがあります。
当然ですが北海道と沖縄では推奨の数値が違い、寒い地域に行くほど厳しくなります。
ここ千葉県は、6地域に指定されています。
で、断熱性能を表す数値【UA値】と呼ぶのですが、これは数値が小さい方が家の中の温度が外に出
ていかず、外の暑い空気が中に入ってきにくいという意味になっています。
6地域ですと0.87以下を推奨してるので、これ以下の数値でつくってください・・・という意味です。
わかりにくくてすいません。要は小さな数字の方が、温熱環境は良くなりますよ。という意味です。
4月以降、全棟省エネの数値を出していますが、直近20棟の平均値は0.46という結果です。
北海道基準に近い数値が出ているので、安心しています。
千葉県は温暖な地域です。この数値だけを追い求めるならば、窓の数を減らしか小さくすればよいのですが、僕らの基本的な設計は「中と外が緩やかにつながる家」ですので、どちらかというと「開く家」です。
大きな引き込みサッシがバシバシついています。
なので ’’ただ良い数字’’だけを求めると不利な設計なのですが、数値で居心地は測れないと思っています。
数値を向上させようと思えば、もっと小さな窓にして、「開く家」から「閉じる家」にすればよいのですが、季節の良い時間が長い千葉では、それを豊かな設計と呼べるか疑問・・・・・と思っているので、そうはしていません。
それでも断熱性能はかなり高い性能を維持できているので、ひとまず「暑い、寒い」はご安心下さいとお伝えしたいと思います。
まだ本決まりではないですが、省エネ等級の最高等級4からさらに上をいく等級5というものが出るようです。
省エネ等級5基準もおそらくクリア出来ていると予想されます。
心地よい環境作りと、開く家、閉じる家、断熱性能。バランスするのは難しいですね。
ヨーロッパの家のように外壁ラインを「城壁、界壁、外敵から身を守る壁」とするか、
旧来の日本からある、外を取り込み、中と外を曖昧にし、暮らしていくのか。
これは僕ら建築設計事務所側と、そこで暮らしていく施主様家族の選択です。
閉じて暮らすのか、開いて暮らすのか。
正解不正解ではなく、ただ選択があるだけなのだと思います。
閉じる家が増える昨今、どうにか「開く家」と国が推奨するエネルギー消費の少ない家をバランス出来ないか。
ずっとテーマですね。