執着
以前、全国的にも有名な、優秀な工務店を視察に行った時に驚いたはなし。
正直に言うと日本でトップレベルのさんで、代表の方にアテンドして頂いたが、その方が設計スタジオのガラスにたった一つお子様の指紋が付いていたのを厳しき指摘していた。
たった一つの掌のあとに対してだ。
200棟近く注文住宅を受注し、かつ、ご本人の年収も億を超えているだろう。
が、ガラスに付いた、たった一つの指紋を、まず気にすることが出来る事、そして、自ら指摘することに驚いてしまった。
フェーズがあがっていくと、「そのレベルの事は店長クラスがお小言を言っておいてね」となるのが普通だし、そういう会社を何件も見てきた。
「そこに気づかない事、もしくは見て見ぬふりをするスタッフレベルが心地よいと思える会社にするつもりがないから。そうしたいのならば、指摘しなければよいよね。」と言った言葉が印象的だった。
指摘するたびに、きっと、いやな顔されてきたのだろうな~という思いと同時に、今でも、高いサービスレベルに固執し、執着し、何を思われようと言い続けられるから、圧倒的に勝ってきたのだろうと思う。
主体性があり、自由主義で闊達であることと、高いレベルを要求し続けることは相反しない。同居できる。
最後まで質に対して執着できるか。
心の中の響いてくる言われた側の「不愉快」を、何千回も飲み込んで、最後までチームが「そのレベル」に来るまで執着し続けられるか。
日常業務に紛れて忘れがちだけど、ある理想を描いて始めたのだ、この会社は。
その思いは最後まで。