ポテンヒット
為末大さんの動画「組織と個人」は面白かった。
昔から言われていることかも知れないが、言語伝達レベルが高いので、聞きやすい。
個人の目的は「私しか出来ない、私がいなければ成り立たない」が基本線だ。自分を高く売れる。
組織の目的は「誰がやっても70点以上取れる。替えがきくというリスクヘッジ。」
で、どこにバランスの支点を持ってくるか。
もちろん、時期、企業フェーズによって支点は移動する。
経営者の思想とか性格がそのまま出るな、と思う。
コンサルティングファームが口を揃える「仕組化」は当然後者になる。
仕組化、マニュアル化はそれ自体がノウハウ商品になる。
が、当然僕も揺れている。
例えば、デザインが好きで好きで仕方ない人が、夢中になりすぎて、頭の中そればっかり考えて、寝るのも忘れているような人が、提案するものと、
マニュアルに沿った「最低限」のレベルの提案物は・・・・。
どっちがおもろいかっていう視点になる。
勝てるはずない。
会社を経営していると、まあ色々ある。
こんなことも言語化が必要なんかい!!と突っ込みを入れる時も増えるが、そのフェーズにいると、いわゆる「管理」が知らず知らずに強化される。
大事ではある。大事ではあるが「顧客の感動」「市場へのインパクトある商品」と、「管理の強度」は比例しない。
マニュアル化するということは、とげとげしたウニのような才能の形を、綺麗に丸く削り取る作業で、楕円にしていく。
それでいいのだ。は事実で、それでいいと思う。
が、「それ面白ろいか??」だ。
↑これは僕にとって大切な問いだ。
もう一つ同じ支点で、THE MODELという考え方がある。
ざっくりいうと超分業制を敷き、超効率化させようぜっていう考え方だ。
ズバッと分業し、各部門がぶつ切りのKPIをひたすら追う。
これも絶対に正しい。・・・・が、おもろいか?が重要になる。
うちは、少し前はそうがいいのかな~と思っていたが、やめた。
あまり分業しすぎず役割に曖昧さを持たせている。当然デメリットもあるが、家造りという一つ一つのプロジェクトを、ぶつぶつブツ切りにすると、本質的に「誰の為に、何やってんだっけ?になりやすい。
おうちを、作り上げてお引き渡しが仕事なのに、途中のタスクで「ハイ!私の業務ここまで~~~」的なノリにどうしてもなる。
1人で完結させるべき「家造り」を一人で出来ないから周りに手伝ってもらってる感を大切にしたい。
効率よりも<コミット(関わり)の強い組織がいいなっていう。
面白いことがあり、業務の間を曖昧にすると、AとBとCの業務の間に「ポテンヒット」が落ちる(落ちそうな)時がある。
このポテンヒットを全力で取りに行くスタッフと、取りにいかないスタッフも当然いる。
ポテン全力系が増えると、その職場は仕事していて面白いだろうな~と思う。「私はどんな人と仕事がしたいか論」でいうと、ポテン見過ごし冷笑系よりは、ポテン全力系と仕事したい。
過半数とか超えてくれると楽しげだな。
冷笑系に囲まれた職場は地獄だな。
昔、経営者の友人が「誰がやってもいいけど、誰かがやらないといけない仕事に手を上げない奴は出世させらんないよね。」と言っていた事を思い出した。
まあ、そうだよなっと思う。
ロールを越えて行こうぜって言いたい。
組織運営は面白い。きっと下手だから面白いんだろうなと確信している。