ザハと三浦健太郎
さて、ここに来て俄然オリンピック開催に傾いている(ように見える)。
酒類提供禁止を要請する程の私権制限を行っているのであれば、何十万人、何百万人も人が動くオリンピックなど難しいのではと思う派だが、やるとなれば当然テレビの前で応援すると思う。(要は強い要望はないどちらでも良い)。
先日、哲学者の東浩紀さん、東北大学の五十嵐太郎さん、日建設計の建築家山梨知彦さんの四時間に及ぶ対談を見たが、知れば知るほどザハが設計デザインする新国立競技場をみたかったなと思う。
詳しくは割愛するが(建築を志すのであればプラットフォームシラスで是非見てほしい)ザハの案はある意味政治的な理由で寸前で白紙になった。色々な理由が絡み合っているので一つの理由などではないが、とても日本的な理由に見える。
建築確認申請に必要な書類4000枚を準備し、通す寸前に白紙撤回された。
その時の必然があったのだろうけど、建築のありようが社会を変えると信じさせてくれた案だったと思うし、ザハはもういない。
今となってはだがとても見たかった。
漫画家の三浦建太郎さんが亡くなった。享年54歳だった。我々40オーバー男子は日本を代表するダークファンタジー「ベルセルク」を通っている。最近の連載は読めていなかったが、日本国内にとどまらず、twitterのトレンドの1.2.3位が全部ベルセルクと三浦建太郎なのが世界への影響力を感じさせる。
手塚から始まり、本宮ひろ志、川口カイジ、王欣太、高橋ツトム高橋留美子、岩明均、三浦建太郎、冨樫義博、沙村広明、あだち充、井上雄彦と、生きていく上での哲学の殆どは漫画から教わってきた私としては大きな作品だった。
54歳という年齢も丁度10年後だ。人生は思ったよりも短いなと思う。表現できることは仕切っておきたいなと思う。
私にとっては今の日々はまさにベルセルク的にいう「あの日々のかがり火」なのだ。
さて、俄然死ぬまでに完結してほしい漫画を「完結」させてほしい欲求が出てくる。
冨樫先生、木多先生、岩明先生、何卒、続きを宜しくお願い致します。
せめてヒソカvs蜘蛛、田島vs文さん、ヒストリエは全編見届けて死なせてほしい。
長編ダークファンタジーのグイン・サーガの栗本薫先生も突然だった。
手塚先生のメフィストも完結していたら名作になっていただろう。
そうなると宮崎駿には元気なのに引退とか言ってないで、ナウシカ原作を最高の作画で映画化、映像化してほしい。今なら、Netflixが何十億でも出す気がする。
重ね重ね、ザハのデザインの新国立競技場を見たかった。この業界の末席に座るものとしてそう思う。
確実なのは全てに終わりがあるということだ。それは私にとっては大きな希望でもある。
終わりがあるから目一杯走れるのだ。