2026年9月初旬 有為転変
さて、今さらと言えば今更ですが、こんなニュースが。
大和ハウス、新築戸建て住宅の新規販売23道県で撤退…コスト高騰・需要減で都市部に経営資源を集中 : 読売新聞
今回の撤退自体は、人口減少・着工戸数減少・資材費、人件費の高騰・職人不足を考えれば、経営判断としては合理的。
ですし、すでに多くのリソースを戸建てから、大型物流倉庫や海外での売り上げに移転しています。
たまたまニュースになりましたが、他の大手ハウスメーカーもほぼ同じ動きをしています。
全国展開 → 市場縮小 → 採算の悪い地域から撤退 → 都市部へ集中
の道を、全ハウスメーカーが進んでいるようです。
「儲からないことはやらない」という商売の鉄則を極めて順当に徹底しいるようです。
が、ほぼすべてのメーカーが「60年保証・・・・」と言っていたのでは?と。
当然、メンテナンス機関は残すのでしょうが、昔から「言いきれるのはすごいな」と思っています。
そのメンテナンス機関も無料では成り立ちません。事務所費、人件費といった維持費はかかります。
その機関が数年採算を割ったら・・・・、おそらく撤退するのだと思います。
それが自然な考え方です。
以前、ある顧客から「加藤さんとこって60年保証やってないの?」と聞かれたことがあります。
正直に「60年後、僕が生きている自信も、会社が絶対に残っているという自信もありません。ごめんなさい」と伝えました。
そりゃそうだ(笑)とケラケラ笑っておりました。
今でもよいお付き合いをさせてもらっています。
ちなみに企業の生存率というデータでは以下になります。
- 設立5年後:約15%
- 設立10年後:約6%
- 設立20年後:約0.4%
- 設立30年後:約0.02%
30年、生き残っている企業は1000社立ち上げたとしたら2社です。
「絶対潰れません。うちは100年保証・・」嘘ではない。未来はわからない。が、言い切っていたらそれをやるのは詐欺師です。おそらく信用されなかったと思います。
60年保証をする、100年保証をする”保証”は実はどこにもない。安心などある種の幻想なのだ。
大手ハウスメーカーの60年保証は凄い自信だな~と思うと同時に、仕組みとしてよくできているなと思います。
まず、無償ではありません。企業によって違いますが10年、や15年、20年後に点検があり、その点検結果により是正工事をした物件にだけ延長保証が付与されます。
今年10000棟建てたら、15年に一定割合の「リフォーム収益が見込める」という構造になっています。
現在、リフォーム産業新聞でリフォーム工事売り上げランキングが掲載されていますが、積水ハウス、ダイワハウス、住友不動産、ミサワホーム、など、大手がずらりと名を連ねるのは「過去自社が手掛けた物件の延長保証工事」が、大きな柱になっています。新築利益の後に、リフォーム収益物件でもある。
話しを戻します。
大和ハウスさんが戸建て部門を23道県から撤退します。
大手ハウスメーカーさんなら安心は一定真実です。中小企業よりも潰れにくいのはあきらか。
が、非採算部門は、情もしがらみもなく、ばっさりいくのも真実。
「儲からない地域ではもうやらない」
それが数万人を食べさせていく企業の「仕方なさ」と思います。良い悪いではなく。
しかし、住宅は大切に使えば60年、70年、80年、住み続けられる。世代を超えて引き継がれていく。
ことさら、佇まいの良い家はそうだ。
”住宅は企業が会議室で決める事業計画よりも長い時間生き続ける”
そこにある良い住宅は、その街の中の小さな小さなシンボリックな存在になる。
意識、無意識を超えて。
家作りはビジネスだ。そこからは逃げられない。当たり前だ。スタッフの給与、生活を守る必要がある。
が、文化的側面のにおいがしない家作りには明確にNOといいたい。
うちはデザインコンテストにはださない。今までもこれからも。
プロの審査員に審査されてどうする??個人の承認欲求満たすためにやっていない。
そうじゃない。
僕らはその街並みの中の静かなシンボルハウスを作り続けたい。
無意識に、素敵な家だな、素敵な街並みだな、と。
世界、社会からの評価は、別だとしても、自認はそうありたい。そう信じたい。