2026年8月中盤 総の国の底力
このたびの千葉県を襲った記録的な大雨により、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
13日から14日にかけて千葉県では、これまで経験したことのないような猛烈な雨が降りました。
千葉市では24時間で360ミリを超える雨量を記録し、各地で道路や住宅の浸水、土砂災害など、大きな被害が発生しています。
ニュースに映し出される街の様子を見ながら、私自身、住宅をつくる仕事をしている者として、改めて考えさせられました。
北は北海道、仙台、新潟、長崎、アメリカの方から「ど~なのよ」という心配の声を頂きました。
「大丈夫」とだけ返信しました。
私たちはこれまで、耐震性や断熱性、気密性といった「家そのものの性能」を高めることに向き合ってきました。
もちろん、それはこれからも変わりません。
けれど今回の大雨を見ていると、「強い家をつくる」ということの意味は、もう少し広く考えなければならないのではないかと思います。と同時に「ハザードマップ」は過去の物、という認識を持たざるをえないという実感も。
どれだけ強い家をつくっても、周辺の道路が冠水すれば、家から出られなくなることがあります。停電すれば、夏の暑さの中で暮らすことも難しくなります。さらに今回、浸水リスクが想定されている区域の外でも、
冠水や浸水の被害が起きたという報告があります。
「この場所なら大丈夫」
「これまで大丈夫だったから大丈夫」
そうした過去の経験だけでは、これからの暮らしを守れない時代になっているのかもしれません。
だからこそ、私たち住宅をつくる側には、建物の性能だけを見るのではなく、その土地のこと、周辺環境のこと、災害時の暮らしのことまで含めて考える責任があると思っています。
家は、人生の中で最も長い時間を過ごす場所です。
晴れた日の美しさだけではなく、雨の日、風の日、そして万が一の災害が起きたときにも、家族が少しでも安心していられる場所であること。
それもまた、「良い家」の大切な条件なのだと思います。
今回の災害を決して一過性の出来事として終わらせず、私たち自身の家づくりを見つめ直すきっかけにしていきたいと思います。
被災された皆さまが、一日も早く平穏な日常を取り戻されますことを、心より願っております。
当事者としてかける言葉は「共に頑張っていきましょう。」ですね。
エーセンス建築設計事務所
代表 加藤 行人