2026年4月中盤 積み上げ
さて、住宅業界はホルムズ海峡に端を発した、石油不足問題でてんやわんやです。
が、全ての”騒動”が早晩落ち着き日常が戻る。
それはリーマンショックと311とコロナを経験してきてわかる。
エモにも悦にも入らずに日常を淡々と過ごす。
打ちうる手を打ち続ける。
思考を止めずに考え続ける。
その狂騒曲にのり、感傷に浸りなんとなく躍らせれた集団と、打ち手を続けた集団の差が出る。
この騒動が終わった時にその差が顕在化する。
という訳で、日常です。
エンドユーザーに良質な住宅、を届け続ける。
職人さんが腕を振るえる活躍できる仕事を作り続ける。
端的にこの2点です。
ちなみに、当社の内装は全室漆喰で仕上げており、ほとんどのケースでクロスを使わないですが、
サンゲツやリリカラさんが値上げをしているので、一切値上げをしていない、
スペインから直接コンテナで輸入している僕らの漆喰材が相対的に安価になっています。
ちなみに独占契約をしているので日本で手に入るのは僕らだけ。
知り合いの工務店に譲ったりはしていますが、基本的にあの良質な漆喰は僕らしか使えない。
このペースでいくと、「高級材」と言われる漆喰の塗り壁仕上げと、
ビニールクロス仕上げの価格は数年で逆転します。
また、今回の資材がスタックしたあとのメーカーや建材やさんとのやりとりで感じたのは
「積み上げたものが強い」という至極単純な。
壁内断熱ににセルロースファイバーという多機能な木質繊維を吹き込む工法を20年前、起業一棟目からほぼ例外なく続けています。
石油系断熱材が品薄になり、セルロースを代替品に・・・・・と殺到するかと思い、連絡をしてみましたが、
「ずっとセルロースを続けているエーセンスさんが優先なので、確保しています」と。
こんな話が枚挙にいとまがない。
フワフワと安そうな、手に入りそうなものに、トレンドに、流行に、少しだけ距離をとって生きてきたし、この会社のあり様を決めてきた。
それは周り回って信頼と美学になって僕らにもどってくるし、益をもたらす。
どんな状況がきても最後には美意識を捨てちゃダメだなと思う。
それは、周りからはクリアに見えなくともよい。
ただただ自身へのコミットであればよい。
じゃなきゃ10年以上前に、とっくにつぶれている。
家作りには思想が必要なんだと。
普遍の少し手前を見つめるほうがいい。
派手な設備より、よく考えられた温熱。
映える意匠より、整った寸法。
安さの競争より、納得の積み重ね。
そういう地味な反復が、結局いちばん強い。
世の中はまた何度でも揺れる。
価格も、制度も、常識も変わる。
でも、暮らしそのものはなくならない。
朝起きて、食卓を囲み、子どもが走り、
雨の音を聞き、冬に暖かく、夏に涼しく眠る。
住宅の仕事は、その当たり前を支える仕事だ。
だからこちらまで右往左往してはいけない。
静かに学び、静かに備え、静かに作る。
騒がしい時代ほど、つくり手は静かなほうがいい。
当然、気づいている人は気づいていると思うが、これは社内へのメッセージなのだ。
自信をもっていこう。僕らは20年支持され続けてきた。