2025.5月下旬 半径5m
さて、もうすぐ6月ですね。
世の中は少々世知辛い。
7月には選挙があると思うし、過去一の「何か変わるのでは感」だけはあるが、今の、「小泉コメ劇場」みたいな報道の嵐を見ると、ふたを開けたら自公過半数とかありそうだ。
103万円の壁とか、教育無償化とか、社会保険料値上げ・・・とか、どこにいったんだという感じだが、いい意味でも悪い意味でも人は忘れっぽい。
SNSが隆盛するたびに、”今”のニュースにリアクションをするだけの世界になってきた。
何度も言う通り、そのリアクション芸世界とは少し距離を取りたい。
きっと日本は正常性バイアスが強い国なのだ。いい意味でも悪い意味でも。
コメ問題も、農家から直接買っている身としてはどうにも発言に困ってしまう。
コメがない世界線が見えにくい。田舎者には。
世の中にはグラデーションがあるのだ!としか思えない。が、今年は知り合いの農家から新米の時期に大量に買って、身近なスタッフや仲間と共有しようと思う。一次生産者にチャネルがある人ができるささやかな恩返しでもある。
そういえば、当社では産休、育休が多い。これはアイロニカルでもシニシズム発言でもなくて、結構いいことでは?と本気で思っている。
25~30人の間を前後しているスタッフ数ですが、ここ5年でいうとスタッフから12~14人の新しい命が産まれている。当然産休育休があり、そのままやめてしまうスタッフもいるし、戻ってきてくれる方もいる中でだが。
25人のスタッフ数で12~14人は中々だなと思う。
世間でいう少子化を実感としては得られないのが、本音だ。
人によっては男性も産休を取っている。
結局のところ、”世界は広い”は真実だが、半径5m程度が僕の世界だし、皆の世界でもある。
僕の5m範囲では子供もたくさん産まれ、コメもある。
「あなたには想像力がない」と言われればまったくその通りだが、実感とか、実態感とかいうのはそういうものだと思う。
SNSはそれを忘れてしまっている、まったく実感値の遠い人が石を投げあい、交じり合うから度々話がかみ合わないのだと思う。自分は参加していないが。
斎藤ジンさんの「世界秩序が変わるとき」を読みながらそんなことを思った。
話は変わる・・・・まったくもって変わるが、岩明先生のヒストリエ12巻を遅ればせながら読んだ。
いわずと知れた寄生獣の作者である岩明先生もご高齢で、しばらく連載を休んでいらっしゃるが、
このヒストリエ12巻は、おそらく日本漫画史上トップ10に入るくらい素晴らしかった。
スラムダンク31巻を超えた。
この晩年にきて、この作品で、このクオリティ。
岩明先生の全盛期がいつかとかいう論はおいておいて、ヒストリエ12巻は完璧だった。
もし、まだ読んでいないならあなたは幸福だ。
1巻から12巻まで一気に読み上げる幸福が待っている。
おそらく続編は書けないのだろう。だいぶ体調も悪いと聞いている。
それも覚悟している。
AIが発達し、同じタッチで描くことはできるとすると、プロット、脚本だけお願いできないか。
続きが読みたい。
当然のことながら、富樫先生のH×Hの続編も読みたいし、木田先生の喧嘩稼業の続編も読みたい。
が、今はヒストリエの続きが読みたい。
僕が今、ドラゴンボールを集めることが出来たら、神龍への願い事はきっと、それになるだろう。
岩明先生、長生きしてください。